好きすぎて3回鑑賞。それでもまだ観たい 映画『国宝』

こんにちは。こももです。

記録的なヒット作品となっている映画『国宝』

私は他の映画を観に行った時に流れた予告映像で心を奪われ、昨日までに3回鑑賞しました。

公開からしばらくは予約を取り損ねたりしてなかなか見に行けず初回鑑賞は7月の初めとかなり遅め(笑)

公開から3ヶ月近く経つというのに良席は今でも争奪戦で、スクリーンの規模は小さくなっているけど平日午前中の回でもほぼ満席というのはすごいと思う。

私もまだまだ映画館の大きなスクリーンで観たい。

公開中にあと何回鑑賞出来るかな。

7月の初回鑑賞以降、自分の中で感想がまとまらずなかなか記事に出来なかったけど(今もまとまってないけど)どうにか書いていこうと思います。

映画『国宝』あらすじ

後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた

この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は抗争によって父を亡くした後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ歌舞伎の世界へ飛び込む

そこで半二郎の実の息子として生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う

正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人

ライバルとして互いに高め合い芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが運命の歯車を大きく狂わせてゆく

誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界

血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り

もがき苦しむ壮絶な人生の先にある“感涙”と“熱狂”

何のために芸の世界にしがみつき激動の時代を生きながら、世界でただ一人の存在“国宝”へと駆けあがるのか?


<キャスト・スタッフ>

吉沢亮、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、黒川想矢、越山敬達、田中泯、渡辺謙


原作:吉田修一

脚本:奥寺佐渡子

撮影:ソフィアン・エル・ファニ

美術監督:種田陽平

監督:李相日


<上映時間>

175分


<公開日>

2025年6月6日

私の感想

1回目は原作未読の状態、2回目以降はしっかり原作を読んだ状態で鑑賞しました。

上下巻で800ページを超える長編小説は言わずもがな、175分に収められた映画もとにかくストーリーが面白い。

「ただひたすら共に夢を追いかけた」

これは極道の息子が歌舞伎界で成り上がる物語ではなく、歌舞伎に魅了された人間たちの物語なのですね。

歌舞伎を完璧に描くのではなく喜久雄の50年を描いているんだな、と感じました。

もうね、俳優陣の演技がそれはそれは素晴らしい。

黒川想矢くん演じる少年期の喜久雄のただならぬ色気とむせかえるような熱気は素晴らしいのひと言。

育ちの良さが滲み出る麗しい見た目とボンボンゆえの捻くれを兼ね備えた少年俊介を演じる越山敬達くんも素晴らしい。

そして演目を演じている時だけでなく佇まいから指先まですべてが女方、人間国宝みが溢れる田中泯の凄さよ。

あの招く手、というか指?いややはり手?の演技がすごすぎる。

吉沢亮と横浜流星は言わずもがな。

それぞれの役柄を演じながらその人物が演じる歌舞伎演目の役柄、その演目の役柄の中でも瑞々しい青春期、大舞台で華々しく活躍するイケイケ期、ドサ回り周りをしている落ちぶれ期、さらには老年期としっかり演じ分ける凄まじさ。

喜久雄の才能と圧倒的な美。

俊ぼんのピュアさとどこまで行っても失われない品性。

見る者を虜にする凛とした美麗と周囲をパッと明るく照らす天真爛漫さの対比は舞っている時に顕著に現れていたと思う。

つるんとした中性的な輪郭の吉沢亮はとにかく化粧が映える!そして喜久雄はお手本通りに完璧に舞う。

横浜流星の方が男性らしい顔立ち(輪郭)であるにもかかわらず、演目中の俊ぼんは表情も踊りもとても愛くるしい。

才能はあれど歌舞伎界ではもっとも重要な「血筋」がない喜久雄は震えながら俊ぼんの血を飲みたいと吐露する。

先祖代々脈々と続くレールの上にいながら優れた才能を目の当たりにした俊ぼんは本物の役者になりたいと泣く。

才能と血筋、か。

つらい、どっちもつらすぎる。

ただね、喜久雄が猛烈に欲した丹波屋の血が糖尿病まで継いでしまうというね。

やり切れない。

視力や脚を失ってもなお歌舞伎から離れられない様子を渡辺謙と横浜流星がそれぞれに狂おしく演じていて、醜くも美しいとはこの事かなと思いました。

吉沢亮の病室での稽古時の目の演技が特にすごかったなぁ。

自身のビンタで喝を入れた後の顔つき、声色、目の奥の光、何もかもがガラリと変わった瞬間は鳥肌モノでした。

それと屋上での舞いね。

メイクがドロドロに崩れているのに目が離せないほどの圧倒的美しさ。

あんなに打ちひしがれてボロボロになっても体が覚えているというね、、切ない。

いや、ボロボロの状態だからこそ踊らずにいられなかったのか。

「どこ見てるの?」

この時だけじゃない。喜久雄は常にここではないどこかを見ていた。

彰子のように問わなかっただけでプロポーズされた時の春江も同じだったのだと思う。

そして藤駒もそれを悟っていた。

喜久雄はとにかく芸だけと向き合っていたいんですよね。他には何も要らない。

ただただ歌舞伎が好きで踊ることが好きな喜久雄は図らずとも人間国宝となってしまったけれど、いつからか人間ではなくなってしまったのだろうか。

でもそれは芸だけと向き合っていたい喜久雄にとって幸せな事なのかな。


原作を読むとどうしても徳ちゃんには登場して欲しいし、マツや春江の愛情深さをもっと描いて欲しいと思ってしまうけど、こればかりは仕方ないですね。

あぁそれとね、歌舞伎の映像がどこまでも美しい。

本物の歌舞伎鑑賞であれば演者をあんなにアップで見れないし、早替えなどの様子を見ることも出来ないのですごく贅沢だなぁと思います。

それぞれの演目を理解していたらもっともっと楽しめただろうな。

昨今わりとすぐに配信サービスで観れるようになるけど、この作品は映画館の大きなスクリーンで観るのが断然オススメです。

私は3回観たけどまだまだ映画館で観たい!

最後に、、、私は喜久雄の「はい」が好きです。

ランチ

私は基本的に映画は午前中の回を観るので、毎回余韻に浸りながらランチをいただきます。

1回目の鑑賞後に向かったのは大好きな鼎泰豊。

小籠包は安定のおいしさ!

とても暑い日だったので冷製の鶏そばをいただきました。

キンキンに冷えたスープはあっさりした塩味でキュッと締まった細麺とよく合って大変美味でした。

2回目の鑑賞後は丸亀製麺へ→

初めて冷製の旨塩うどんなるものを食べてみました。お供はかしわ天と半熟卵天。

昆布とホタテの旨みがたっぷりのあっさり塩味スープ、すごくおいしい!

キュッと締まったもちもちうどんとの相性抜群。これは夏にいいぞ。

3回目の昨日は海老雲呑とミニ鶏飯をいただきました。

ここの雲呑は皮がしっかり厚くて海老がブリンブリンでかなりボリュームあり。

この澄んだスープと良く合うんですよ。ものすごくおいしくてペロリです。

そして鶏の旨味で炊き上げたごはんとしっとり柔らかい鶏肉のコンビネーションが最高の鶏飯は外せません。

3日間とも大変おいしくいただきました。

映画もランチも大満足。休日の映画鑑賞って最高!

あれ?私は長年趣味のない人間だと思っていたけれど、映画鑑賞を趣味と言ってもいいのかも知れない(笑)

それでは、また。

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